天井からつるして炉にかける釜のことで、三月中旬から四月上旬にかけて用います。
四畳半以上の広間は鎖を使います。 唐物と和物があり、細工を施したものも見られます。ここでは弦(つる)と鐶(かん)に象嵌(ぞうがん)が施されています。
小間では自在竹で吊るします。これは上下自在になることから称され、竹の下端の鈎(かぎ)に釜を釣り、上下は小猿で調節します。農家の囲炉裏につるす鍋釜(なべかま)を侘茶の道具に見立てたと言われています。
つり釜のゆらゆらと揺れるさまは陽炎(かげろう)の様にも思え、茶室に春の気をもたらしてくれます。